NZと日本の看護師の業務、待遇の違い

先日のナースのストライキは、ナースの待遇改善を訴えるものでした。賃金アップが主な交渉内容でしたが、他にも休暇や受持ち人数などについても交渉していたようです。

ここで気になるのが、実際のNZのナースの業務内容、待遇について。それほど労働条件が悪いのでしょうか。私の短い経験からですが、日本と比較しながら見て行きたいと思います。

①受け持ち人数
私は日本でいくつかの病院の一般病棟で働きましたが、受け持ち人数は日勤で6~8人くらいでした。夜勤だと15人前後。慢性期の病院だと日勤で10人という話を聞いたこともあります。NZの公立病院の一般病棟で、日勤では基本的に4人、たまに5人を受け持ちます。夜勤だと10人くらい。プライベート病院だと少し違うかもしれません。

②記録
日本よりも記録物が少ないと思います。こちらではコストの入力はないし(太っ腹DHB)、NANDAの看護診断とかを使って看護計画を立てることもありません(病院によるかもしれない)。私が思いつく限りでは、通常の記録の他に褥瘡のブレーデンスケールを週1で評価するくらいです。退院前にはReferral letter(提出先それぞれに決まった書式があり、それを埋めていくだけ)などを書くこともありますが、それくらいです。

③教育
病棟にはエデュケーターやクリニカルナースと呼ばれる人がいて、いろいろ指導をしてくれます。この人たちはほぼ毎日病棟にいるので、わからないことがあるとすぐに聞けるし、自信がない手技も一緒にやってくれたりするので、NZで経験がない私にはとてもありがたい存在です。それと、私は点滴を扱うためのCertificateを取るのにもエデュケーターに協力してもらいました。

④残業
日本ではほぼ毎日残業をしていましたが、こちらではありません。でも、全くのゼロというわけではなくて、忙しいときは残って仕事をすることもあります。そしてこちらのナースたち、時間内に終わらなかったら次の勤務の人に任せることが多いです。例えば入院してきた患者の記録、問診、皮膚のチェックなど。日本では、入院を取った人が全部終わらせるの普通だったような。最初の頃は「私が終わらせなくちゃ!」と思っていましたが、皆が皆「次に任せなよ」と言うので最近はそうしてます。郷に入っては郷に従え。

⑤休暇
ナースに限った話ではありませんが、NZではホリデーがちゃんともらえます。多くの日本の病院のように有給は消化できずに退職、もしくは有給の買い取りもしれくれない、なんてことはないです。きっと。

⑥給料
これは日本と同様、経験年数によって給料が上がります。給料アップの査定もあるらしいですが。NZでは時給で給料が支払われます。ボーナスはありません。Pay Scaleによると、RNの平均時給は26.68ドル、中央値は27.01ドルです。年収にすると56,009ドル。これに休日手当や夜勤手当はおそらく含まれていないので、実際にはもう少しもらっていると思います。

こうやって比較してみると、NZのナースのほうが業務内容も待遇もいいじゃない!と思うでしょう。はい、その通りです!給料は物価の違いなどもあるので一概に良いとは言えませんが、他に関してはこちらのほうが働きやすい環境だと思います。現に私は心と時間に余裕を持って働けているので、今の業務内容や待遇に満足してます。だからといって日本で働くのがダメとは言いません。こちらで働いてみて気付く日本の看護の良さもあります。感じ方は人それぞれです。

ストライキが今後の決定にどう影響するかはわかりませんが、給料アップはいつでも大賛成!なので、NZナースたちの行動が反映されることを願ってます。

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