日本とNZ、看護実習の違い

クライストチャーチにはARAにナーシングのコースがあるので、RN、EN、そしてCAPの学生がひっきりなしに病院実習をしています。

そこで、日本とNZの看護実習の違いについて。

まず日本の看護実習から。

今の日本の看護実習がどうなのかわからないけど、私のときは(10年以上前)1人の患者を実習期間中ずっと受け持って、13だか14項目の看護診断を使って患者を身体的、精神的、社会的に理解し、その科についても学んでいくというスタイルでした。

実習は、その日の実習計画を担当ナースに見せて、予定を調整したりすることから始まります。でも、運悪く意地が悪いナースにあたると計画内容を突っ込まれ、ひどいときは書き直しと言われ、何をするにも根拠を聞かれ、わからないことを質問したら「自分で調べて」と言われ、時には邪魔者扱いされることもあり。

1人の患者しか受持たないので、やることがなくて困ることもある。でも、ただ座ってても教員に何か言われるし、ナースの目も怖いのでひたすら病棟内をウロウロしていたり。カルテを見ようにも、電子カルテを開くにはナースに頼まないといけない。患者のところにずっといるわけにもいかず、「やることない!どうしよう!」となるのです。

1日の実習が終わるときは「ありがとうございました」と学生みんなで揃って挨拶するけど、こちらを振り向きもしないナースもいる。家に帰ったら日々の考察や記録(患者の状態が変わらない限り毎日毎日書くことない)、翌日の実習計画を夜中まで書いて・・・。

とまあ、9割が苦行だった思い出。

次は、ナースから見るNZの看護実習について。

NZでは、学生の扱いが違うがように思います。もちろん学生なので何をするにもナースの許可や見守りは必要です。でも、学生も一労働力と見られてて、学生がその日の患者の記録をするし(ナースの最終確認は必要)、ミーティングなどで質問や意見することもあるし、患者や家族への説明もする。実習自体がかなり実践的で、学生でもMultidisciplinary Teamに参加しています。

受持ち患者は1人から始めて、徐々に4人まで増やしていきながらタイムマネジメントやプライオタイズについても学んでいきます。実際に働くようになるとこれらのスキルは本当に重要なので、学生のうちに時間配分などに慣れていくのは大事だと思います。

私が一番いいなと思うのは、お国柄のせいかスタッフと学生の関係がカジュアルなことです。学生嫌いなナースもいるけど、日本の意地の悪いナースのような態度は取らない。学生はナースだけでなく医者やその他職種に質問もしているし、世間話も普通にしている。

私はオーストラリアで看護実習をしたけど、そのときもNZと同じような感じでした。「おまえ、なんなの?」というナースもいたけど、99%のナースが学生に対して「教える」ポジティブな姿勢でいて、質問にちゃんと答えてくれました。

NZやオーストラリアで看護実習中は同時進行でアサイメントがあって大変だけど、実習自体は楽しいと思います。ましてや日本で経験があればやることはわかるので、ケアなどをスムーズに進められるでしょう。

日本の「1人の患者をじっくりと看護」は、その患者の疾患については深く学べるけれど、果たしてそれが「その科について学ぶ」ことになるのか。実習中の時間の無駄も多い。NZだと科や疾患について浅く広く、そして実践に近い看護を学べる。なので、NZで看護実習をすると学生中に得た看護観と働き始めてからとのギャップが少ないのではないかと。日本では1年目で辞めるナースって結構いるけど、このギャップに悩んで辞める人もいるのでは?

たまにはお寿司を食べないと

今の日本の看護実習がもう少し実際の看護師業務に近いものになってればいいけど、そう簡単には変えられないかな。

私が一番イヤだった看護実習は産科でした。
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コメント

  1. 日本で実習したのなんてもう何十年も前で(笑)、もはや日本でもあの厳しさは絶滅してると信じたい。NZはいいよね〜。実践的だし。でも学ぼうとしない子が多い気がする。ぼーっと座ってる子なんて日本じゃ許されないわ��

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    1. 10年以上前でも厳しかったから変わってないんじゃないかなあ。私が見てきたNZの学生はみんな楽しく学んでるって感じだったよ。座ってる子もいたけど、何かしらしてたね。アサイメントとか。病院でやるものなのかわからないけど。

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